1ST CRACK COFFEE CHALLENGE 結果報告

以前の記事でもご報告した「1st Crack Coffee Challenge」。

予選を80名中1位で通過し、その後のセミファイナルを経て、6名のファイナリストとして決勝大会に進むことができました。

そして8月28日、東京・渋谷の「TOKYO CULTURE CULTURE」で行われた決勝大会に出場し、ファイナリスト6名中4位という結果に終わりました。

優勝には届きませんでしたが、今回の大会は、これから自分がコーヒーとどう向き合い、地域とどう関わっていきたいのかを改めて考える、とても大きな機会になりました。


決勝大会のテーマ

今回の決勝大会で与えられたテーマは、

「スペシャルティコーヒーマーケットが成熟した今、次の熱狂と10年後のコーヒー業界をどうデザインする?」というもの。

決勝では、このテーマについて15分のプレゼンテーションを行いながら、ジャッジの皆さんへウェルカムドリンクとしてコーヒーもしくはコーヒードリンクを提供します。

コーヒーの味わいやオリジナリティだけでなく、プレゼンテーションの内容、話し方や身振り手振りなど、さまざまな項目から評価される競技です。

私はこのテーマに対して、

「スペシャルティコーヒーマーケットの成熟という前提は、本当にすべての地域に当てはまるのか?」

というところから考えました。

都市部ではスペシャルティコーヒーが広く浸透し、産地や品種、精製方法、テロワールなど、コーヒーの個性を楽しむ文化が成熟しています。

一方で、私が暮らし、お店を営んでいる久慈市を含めた地方では、まだまだスペシャルティコーヒーの文化がこれからという地域もあります。

だからこそ、これからの10年は、すでに成熟した市場の中で新しい熱狂を作るだけではなく、まだスペシャルティコーヒーを知らない人たちに、その魅力を届けていくことも必要なのではないか。

と考えました。




地域に寄り添う、スペシャルティコーヒーの伝え方

私が提案したのは、スペシャルティコーヒーを地方の暮らしに寄り添う形で、少しずつ浸透させていくことです。

例えば、スペシャルティコーヒーでは、果実を思わせるような明るい酸味が大きな魅力の一つです。

しかし、これまで深煎りのコーヒーに親しんできた方にとっては、その酸味が「美味しさ」ではなく、「酸っぱさ」として感じられてしまうこともあります。

だからこそ私は、酸味をただ強調するのではなく、焙煎によって酸味の角をコントロールし、より優しく、親しみやすい味わいにする。

その入り口から「浅煎りのコーヒーって、こんなに面白いんだ」と知ってもらう。

そんな、地域に寄り添ったスペシャルティコーヒーの広げ方を提案しました。

そして、10年後の目標として、「久慈市がコーヒーの街と呼ばれるほどに、文化を成熟させること」を掲げました。

プレゼンの後、ジャッジの方から

「10年後、コーヒーの街にするために、今後どのような活動をしたいですか?」

という質問もいただきました。

それに対して私は、まずは定期的にコーヒーセミナーを開催し、地域の方々とコーヒーの知識や楽しみ方を共有していきたい。

そして、自分の店だけで取り組むのではなく、久慈市内のカフェやコーヒーに関わる人たちと切磋琢磨しながら、街全体でコーヒー文化を育てていきたい。

これらの活動によって市外からも「久慈のコーヒーを飲みに行こう」と思ってもらえるようになれば、コーヒーをきっかけに街へ人が訪れ、地域のマーケットそのものを盛り上げることにもつながると思っている。

と言った内容で回答しました。

この構想は一朝一夕でできるものではない事も理解しています。

だからこそ、10年という時間をかけて、ゆっくりと地域にスペシャルティコーヒーを根付かせていきたいと思っています。

 

決勝で選んだコーヒー

決勝では、以下の10種類の生豆の中から一つを選択しました。

  • エチオピア ナチュラル 4種

  • ケニア ウォッシュド 2種

  • タンザニア ウォッシュド 1種

  • ルワンダ ウォッシュド 1種

  • ブルンジ ウォッシュド 1種

  • ウガンダ ウォッシュド 1種

私が選んだのは、

ブルンジ カランボ ブルボン ウォッシュド

です。

これを、「酸味をはっきり表現した焙煎」と「酸味を柔らかく表現した焙煎」に焼き分け

ジャッジに飲み比べセットで提供しました。

この豆もまだ残っているので、しばらく提供します。

結果は4位。課題もたくさん見つかりました

決勝ではプレゼンテーションの比重が大きく、正直なところ、他のファイナリストの皆さんのレベルの高さを強く感じました。

特に上位3名のプレゼンテーションは、話し方やスライドの作り方など、とても勉強になるものでした。

自分自身も、コーヒーや地域に対して伝えたいことはすべて詰め込み、自分の言葉でしっかり伝えることができたと思っています。

その一方で、本番前の20分間の練習でコーヒーの味を十分にアジャストしきれなかったことや、使用する器具の扱いを一度で覚えきれなかったことなど、競技者としての課題も明確になりました。

とはいえ反省点ばかりでもなく、今回の大会をきっかけに競技者間での交流もたくさんできました。

互いに準備に苦労し、互いに緊張と戦った競技者の間には、不思議な絆のようなものさえ感じました。

またイベントなどでご一緒できたらとてもうれしいです。



この大会を通して

今回の大会は、技術やプレゼンテーションの力を競う場であると同時に、自分自身と深く向き合う機会にもなりました。

自分はこれから何をしたいのか。

Linenをどんな店にしていきたいのか。

そして、コーヒーを通して地域に何を残していきたいのか。

大会に向けて準備をする中で、再認識することができました。

焙煎や抽出にもこれまで以上にシビアに向き合ったことで、技術面でもたくさんの気づきがありました。

今回の大会に出場して、結果以上に、「成長」という大きなギフトをもらったように感じています。

だからこそ、これからも勝ち負けがつく場から逃げず、競技会にも積極的に挑戦していきたいと思います。

そして、今回掲げた「久慈をコーヒーの街にする」という目標に向かって、一歩ずつ進んでいきます。

応援してくださった皆様

本当にありがとうございました。



代表 門ノ澤